2024年、9ヶ月間、X(旧Twitter)でのSNS採用支援を受けていただきました北商物流株式会社の、瀬戸口 敦 社長にお話を伺いました。
北商物流株式会社は物流のラストワンマイルを担う、軽貨物輸送を行う会社です。その中でただ物を運ぶだけでなく、プラスαの付加価値提供に全力を注いでいらっしゃいます。また、瀬戸口社長は約80社(約3000人)が加盟する一般社団法人軽貨物ロジスティクス協会の代表理事として、軽貨物業界の課題解決にも取り組まれています。
▶︎北商物流株式会社 https://hokushow.com/
▶︎一般社団法人軽貨物ロジスティクス協会 https://k-logistics.jp/
▶︎Xアカウント 瀬戸口@軽貨物の窓口 https://x.com/setoguchi_0816
投稿者:幸
INDEX
業界を知ってもらうためにリアルな情報発信が必要だった
幸──
SNSコンサルを受けようと思ったきっかけを教えてください
瀬戸口社長──
今までSNS系の営業はいっぱい受けてきてはいたけど全部断っていた。今回はもう、やる理由しかなかった。
幸──
いざXでの発信を始めてみてどうでしたか?何に困ったとか、そのあたりをお聞かせください
瀬戸口社長──
僕の場合は、元々Xをやってたわけではなくて、アカウント自体がなかった。なので困ることは逆になかったかもしれない。ゼロベース。何も分からないところから始まってるので、とりあえず言われた通りに、教えてもらった通りにまずはやる。といった感じでしたね。
幸──
今までSNSをやっていなかったのに、「よし、やろう」となった目的の部分をお聞かせいただけますか?
瀬戸口社長──
採用と会社の認知。カッコよく言うとブランディングみたいなところですかね。それが、やらないことでマイナスなんじゃないかと。発信の必要性を感じた。
幸──
採用目的の部分、どのような課題があったのかお聞かせください
瀬戸口社長──
うちだけではないんですが業界全体が人手不足。2024年問題もあり明らかに採用コストも上がっている。後は軽貨物業界だけではなく世の中的にも人手不足なので取り合いになっちゃってる状況。まずはそこの分母を増やす。そして来ていただいた方が長く働けるかなと思ってもらえるようにする。そこがまず一番最初ですかね。課題としては。相手は何も知らないわけなので。
幸──
今までの採用活動において、困っていたことを教えてください
瀬戸口社長──
情報がホームページとかしか無かったので、こちらが発信している情報が古かったり、少なかったりっていうのは、あったと思います。リアルな情報を届け切れていなかった。
ゼロから開始3ヶ月で初のX採用
幸──
Xを始めてみてからの変化を教えて欲しいのですが、実際1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、9ヶ月、それぞれ何が起こっていったのか。発信をすることでどうなっていったのかを段階的にお聞きできたらと思うのですが、まず最初の1ヶ月を、覚えている限りで教えていただけますか?
瀬戸口社長──
最初の1ヶ月は、徐々にフォロワーさんも少しづつ増えていって、僕もフォローさせていただいてというような中で、採用云々というよりは、Xの中で人との交流が始まったというのが最初。その中で色々自分なりに、色んな投稿を試していたっていう感じです。フォロワーさんがちょっとづつ増えていってるという実感はありましたね。
幸──
フォロワーさんとの繋がりといいますか、どんな人と繋がっていかれたのでしょうか?
瀬戸口社長──
この業界の関係者の人が当時も今も7割くらいですね。あとは経営者の人だったりとか、全然運送と関係ないけど、昔運送やってたよとかそういう人もいました。主に同じ軽貨物の業界の方々ですね。
幸──
同じ業界の方々と繋がりができていって、交流ができてというところで、次の3ヶ月くらい経った頃というのは、どうなっていった、何が起こっていったのでしょうか?
瀬戸口社長──
3ヶ月経った時ぐらいには、北商物流の瀬戸口がXをやっているぞというのが少しづつリアルの知り合いの人とかにも知ってもらえて。「X始めたんでしょ?」とか「フォローしてるよー!」とか声をかけてもらえるようになって。その頃にXで初めて人材の募集をかけたところ、応募があって採用することができた。3~4ヶ月目くらいだったと思う。
幸──
その時に採用された方は、今でもご活躍されてるんでしょうか?
瀬戸口社長──
そうですね。Xで来た方は、その方に限らず基本的には今でも。まだそんなに経ってないですけど、活躍していただいてます。
幸──
当時採用までできて、効果を実感されたと思うのですが、その時点での感想を思い出せる範囲で教えていただけますか?
瀬戸口社長──
3~4ヶ月経って、見てもらって「働きたい」とDMをいただいたりとかしたんですけど、そこと並行して、駆け込み寺という形で色んな全国の方と、フォロワーさんに限らず無料相談を受けていた。業界の中で起きていること、東京以外のエリアで起きていることを知ることができた。これは当初の目的とは全然違うんですけど、そこで繋がることができて、業界を良くしたいっていうところにも寄与してくれたかなっていうのは今でも凄く思っている。その事象を踏まえて、やってよかったなと思っていた。やんなきゃよかったというのは思ったことはない。
想いの発信から8名の採用に。+αの効果まで
幸──
3~4ヶ月時点で手応えを感じていらっしゃったということですね。ではその後の、6ヶ月続けてみて、手応えがどうなっていったのでしょうか?
瀬戸口社長──
テレビの出演とかもあったので、Xも融合というか、そこは今でも狙っているところではあるんですけど。Xだけじゃなくてテレビの反響もうまく活かして相互で作用すればいいかなと思ってる。なので6ヶ月くらいになってきた時は、投稿でめちゃくちゃ悩むとかいうこともなくて。全部が全部PRとか採用とか、そういう風な狙いじゃなくても、自分たちの業界の悪いところを言ってみたりとか、こうなったらいいよねと未来を言ってみたり、昔はこうだったよねっていう過去を言ってみたり。自分を掘り返しながら、話が投稿できてきた。シンプルに成長できたかなと思う。
幸──
元々は採用のために良い人と出会っていきたい。業界のことをもっと知って欲しいということで発信をされてきた中で、色んな自分の伝えたいことが整理できてきて、業界をもっとよくするんだ、一緒に良くしていこうよという言葉がどんどん出てくるようになったみたいな理解でよろしいでしょうか?
瀬戸口社長──
はい。そうですね。
幸──
9ヶ月経ってというところで、実際に成果みたいな分かりやすいところで言うと、どんなものがあったのでしょうか
瀬戸口社長──
ドライバーさん、正社員、東京本社ではなく大阪での募集、データ入力打ち込みの外注さん、全てXで募集させていただいて、予想以上に反響があって。すぐいっぱいになっちゃったこともありますし、大阪に関しても直接大阪でXの方とお会いして採用させてもらった。採用コストという意味ではゼロでみんな採用できた。
幸──
色んな人が採用できたとお伺いしたんですが、大体何人くらいX経由で採用できたんでしょうか
瀬戸口社長──
雇用形態を問わずすると、8人くらいですかね。
幸──
採用以外のところで、何かもし他にもあるようでしたらお聞かせください
瀬戸口社長──
僕が理事長をやっている軽貨物ロジスティクス協会の方に加盟したいと。10社入会がありました。「協会に加盟しませんか?」とか「募集してます」とかっていうことは投稿したことがないんですが、DMでやりとりをしている中で、入りたいですとおっしゃっていただいたり。協会なので自分自身に金銭的なプラスは無いんですけど、仲間が増えたということで、効果はプラスしてあったと思います。
想いに共感してくれる人が全国にいる実感
幸──
一緒に働きたいですという方や、協会に加盟したいという方々。瀬戸口さんに共感して、同じような景色を見てみたいというか、世の中をもっとこうしていきたいみたいな、そういったニュアンスで皆さん来られているような感じなんでしょうか?
瀬戸口社長──
そうですね。やっぱり投稿の中で共感してもらえることがあったりとか。日頃のスタンスというか。業界を良くしていきたいという発信の中で、一緒に変えていきたいというような前向きな気持ちの人が入ってきてくれてるという感じですね。
幸──
前向きな方々、いいですね。そういった方々はどうやって応募をしてこられるんでしょうか
瀬戸口社長──
連絡経路はもうほんと様々ですね。1番多いのは僕にDMですね。あとは会社の代表メール。あと電話。直接電話してこられるっていうのもありましたね。
幸──
DMについて、どんな風にDMが来るんでしょうか?
瀬戸口社長──
DMは、そうですね。色々なんですけど、お住まいとか全然分からない状態で始まることもありますし。最初から働きたいという方もいれば、関西とか中部で募集してますか?という問い合わせみたいなのもありますし、あとは色々ちょっと相談みたいな形でDMをしている最中に、今北商さんで募集していますか?って聞かれることもあるので。めちゃくちゃ色んなパターンがあるなって自分自身でも思いました。
幸──
DMってどれくらい来るものなんですか?
瀬戸口社長──
本当に、ほぼ毎日DMは来てましたね。1日2~3通とかけっこう当たり前に来てました。冷やかしとかではなくて真面目な。相談が多かったですね。駆け込み寺ということでやってたので、僕も全部、ちゃんと答えてた自負はあります。そして1円ももらっていないです。
幸──
中々、毎日DMが来る、DMで相談されるというのはあまり無いこと。それだけ発信を通して同じ業界の人と繋がって、その人たちと関係を作りながら信用信頼を得られているからこそ、「ちょっとこの人に相談してみよう、相談してみたいな」というのが作れていると思う。なので発信を通して世の中をちょっとでも動かすみたいなことができていたのかなと思うんですけど、実際にそのあたりのエピソードがあればお聞きしたいのですが
瀬戸口社長──
毎日投稿をしている中で、あんまり細かく思い出せなかったりするんですけど、でも自分でもそんなこと言ったっけなといったような内容を「以前こうやって投稿してたじゃないですか」といった風に逆におっしゃってもらったりとかしてくれるので。北海道から、ほんとに沖縄までいらっしゃるんで。DMも1回では終わらないので、いっぱいありすぎますね(笑)
SNS採用は相手との距離が近い
幸──
採用というところでまたお伺いしたいのですが、一般の採用とSNSの採用で違うところをお聞きできますでしょうか
瀬戸口社長──
まず、間違いなく言えることは距離感が近い。SNS採用は。あちら側が僕だったり、発信している内容だったりというのを理解してもらってるわけなんで。なので例えばDMとかでも、ちょっとやりとりしている人とかだと親近感が湧くというか。一番最初から、初めましてというよりかは、なんか、「いつもXでありがとうございます」みたいなアイスブレイクし終わったあとの感じから入れる。自分を知ってもらってるというのはそれは凄くプラスだなという風に思う。なので普通の面接だったりとか、採用よりかはやっぱり距離感が違うというのは間違いない。
幸──
自分を知ってもらえてる。そのことによって距離感が近い。ということは、相手のこともある程度分かった状態で始められるみたいな?
瀬戸口社長──
そうですね。0ではなくて0.5なのか0.8なのか1なのか分からないですけど、分かった上でということで。なので採用にいたらなくても、お互いに無駄じゃないというか。そういうのはあると思います。
社内にも広がる発信
幸──
SNSをやる前と今の違い、変化みたいなところっていかがでしょうか
瀬戸口社長──
SNSは日常の中で普通に自分の中のルーティーンであったりとか。趣味とは言わないまでも時間潰しになったりすることもあるだろうし、そこから情報を得ることもあるだろうし。基本、日常に溶け込んでる。今までXがなかったんで、休みの日も含めて日常に溶け込んでるというのが違いですかね。あとは社員もスタッフも見てるので、直接会えなくても「今、会社の状態はこうだよ」とか「こういうこと考えてるんだよ」ってことを発信を通して分かってくれてるというのがありがたい。それが1回ではなくて、何回もあるわけなので。
幸──
社員の方、従業員の方が見ていらっしゃるというのは、告知とかお知らせとかをされてたんでしょうか?
瀬戸口社長──
いや、もう、僕が始めたんで自分もと言ってXを始めた者もいれば、元々僕より先にやっていた者もいましたし。告知とかは特に、いつから始めるとかっていうのは、してなかったですね。
幸──
噂みたいな感じで社内に広がっていったという感じでしょうか。それでみんなが知ることになって、気が付いたらみんなが見てくれていた。みたいな。
瀬戸口社長──
そうですね、はい。なので「猛暑手当て」を出す話の時は勝手に「猛暑手当て会社からもらえるらしいよ」というのがドライバーさんの間でワァーって広がって(笑)
SNSでしか言ってないのにっていう事象が起きましたね。
幸──
社員の方、従業員の方とのコミュニケーションツールとしてもXが活きていたと。それでは最後に、これからXを始めてみようかなという方、今までやってこなかった、もしくは見る専用だった方に向けて一言いただけますでしょうか
瀬戸口社長──
一言でいうなら、始めましょう、やりましょうということですかね。やらなかった僕が、もはやちょっと毛嫌いしてた側の僕でもできた。ということはもっと他の方々だったら、できるんじゃないかなとシンプルに思うので。やってみないと分からないこともあると思うので。ということはやった方がいいというか、まあ、やりましょう!ですね。
幸──
ありがとうございます(笑)
それでは瀬戸口社長、北商物流様のこれからの抱負で締めさせてください
瀬戸口社長──
会社の代表としても、協会の理事長としても発信しているので、それが軽貨物業界の発展だったりとかに繋がっていけばいいなと思いますし、その中で、軽貨物のイメージだったり、働きたいなって興味を持つ人が出てきてくれたら嬉しいなと思います。あとはこれからもっと色んなことで活躍して、うちの会社の中でもXが文化として根付いてくれたらいいかなと思います。
幸──
瀬戸口社長、インタビューありがとうございました!